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『 THE GREATEST SATUMANINA HESTIVAL 』に見た、地方のロックファンの渇望感と順応力

開催 2 年目にして鹿児島、九州に早くも定着した感のある『 THE GREATEST SATUMANINA HESTIVAL 』。

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初開催となった昨年、ヘスを訪れた時に驚いたのが、特に若い子を中心としたお客さんのフェスへの渇望感と順応力だった。これまで会場のロケーションやホスピタリティ、鹿児島や九州出身のアーティストが桜島のフェスに出演することへの想いを綴ってきたが、お客さんがフェスに参加するか否かを決める最も重要な要素は、なんといってもラインナップだろう。

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どんなに家の近くでフェスが開催されたとしても、見たい出演者がいなければチケットは買わない。さらに言うと、贔屓のアーティストが出演するとしても、ラインナップがいまいちだったらチケットは買わない。「だったらワンマンを観に行った方がいい」と思うのが、ファンの正直な気持ちだ。

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では、行きたくなるようなフェスのラインナップとは何か? フェスやイベントを主催する人に話を聞くと、「 そこが一番難しい 」と言う人も多いが、ただ人気者を集めただけでは人は集まらない。かと言ってジャンルやテーマを絞りすぎてしまうと、お客さんを選ぶことになってしまう。そういった意味で、ヘスのラインナップは本当に秀逸。

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ロック、アコースティック、ジャズ、アイドルなど、ジャンルにとらわれることなく、初めて観ても楽しめるライブ最強のアーティストがずらり揃ったラインナップは、熱心な音楽ファンから、フェスの雰囲気を味わってみたいというライトな音楽ファンまで。みんなに「 見てみたい! 」と思わせるミュージシャンが一堂に会しながら、フェスの信念や方向性がハッキリ見えるラインナップになっている。

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これは広い視野を持って音楽シーンを見ることができ、ミュージシャンからの信頼も厚い、発起人であるタブゾンビの意志や存在が大きいと思うが。このラインナップを見て、「 こんなフェスを待ってた! 」という人は多かったと思うし、それが僕が感じた渇望感にも繋がっていたのだろう。

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ネットやSNSの普及で、都会と地方に情報伝達の時差が全く無くなった昨今。音楽で言えば、全国で開催されてるフェスの情報は簡単に入ってくるし、ライブ終了直後にレポートを配信する “クイックレポート” なども一般的になり、全国で年中開催されている音楽フェスの情報は簡単に入ってくるし、行った気にさえなってしまう。とは言え、音楽ファンならレポや写真、フェスの動画を見て、「 私も参加したい! 」と思うのが当たり前。

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しかし、例えば九州でも鹿児島の子が福岡のフェスに参加しようと思ったら、チケット代に旅費も含めてかなり高額になってしまう。だったら動画を見ながらフェスを疑似体験して、行った気持ちになろうと思うが、フェスへの想いは募るばかり……と、これはあくまで僕の推測でしかないが。
初年度の熱気と強烈な盛り上がりを見る限り、その憶測もまんざら間違ってないと思う。そして、容易に情報が入ってくる時代だからこその順応力の高さもお客さんを見て感じたことだった。

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今年も多く見る機会があったが、初めてフェスに参加したであろうお客さんが、他のフェスと差異のないフェスファッションに身を包み、巨大なフィールドで同じく他のフェスと差異のないノリ方でライブを楽しんでいることに驚いた。きっと実際に参加するのは初めてでも、ネットの情報や動画で予習は万全なのだろう。

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そこで鹿児島でこんな大型フェスが開催されるのは初めてで、フェス初参加する人も多かったであろう初年度も、ヘスにはフェスの空気がしっかり出来上がっていた。さらに言うと昨年の経験も生かした今年は、フェスらしさをより一層増していた気がした。

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しかも与論エリアやキャンプエリアの存在で、他にない “ヘスらしさ” さえ生まれつつあり、フェスというのは主催側や出演者と共に、お客さんも成長するものなのだなと感心してしまった。

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みんなが見たいラインナップというところで今年、印象に残ったのは、会場中の大合唱が響き渡ったMONGOL 800とORANGE RANGEだった。

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サポートギターの猪狩秀平(HEY-SMITH)にホーン隊も加えたスペシャル編成で挑んだMONGOL800は、1曲目「 PARTY 」からお祭り騒ぎを生むと、「あなたに」は大げさでなく全員が大合唱。

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安室奈美恵「 TRY ME ~私を信じて~ 」のカバーなど、ヘスならではのスペシャルな編成と内容で盛り上げ、パワフルなギターリフと温かみある歌声で始まった「 小さな恋の歌 」で大クライマックスを生んだ。

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「 上海ハニー 」で始まったORANGE RANGEは、「 沖縄と気持ちをひとつにしましょう 」とHIROKIが煽り、カチャーシー(沖縄の踊り)の手振りや「 イ~ヤサァサァ 」の掛け声を合わせて一体感を生むと、「 以心電信 」で会場を完全掌握。

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「 これから新曲やるんですけど、打ち合わせアリで盛り上がってる風に見せましょう 」といたずらな顔で語り、掛け声やタオル回し、合唱パートまで打ち合わせて臨んだ「 Enjoy! 」でも異常なほどの盛り上がりを見せると、強烈な太陽の光が射し込む中、「 イケナイ太陽 」、「 キリキリマイ 」と畳み込み、大熱狂の中でフィニッシュ! 一時代を築き、いまなおライブバンドとして活躍し続ける、沖縄の両雄によるステージは本当に凄まじかったし、誰もが満足するものだった。

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他にも、少し年配の音楽ファンはLOW IQ 01&THE RYTHM MAKERS、KEMURI、ZIGGY、ハナレグミなんてラインナップはたまらなかったと思うし、フェスに憧れる若いロックファンはフェス常連のTHE ORAL CIGARETTES、HEY-SMITH、SiM、Dragon Ash、Coldrain、そして昨年、無念の出演キャンセルとなったマキシマム ザ ホルモンなんて名前が並ぶだけで、チケット即買い確定だ。

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さらに、ももいろクローバーZ、椎名林檎なんて、世代を問わずに一度はライブを見たいに決まってる! そして、そんな豪華出演陣が繋いだバトンを最後に受け取った、今年のヘスの大トリは、サンボマスターだった。

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有終の美をみんなで飾るべく、「 終わり良ければ全て良しですよぉ! 」と叫び、演奏中も「 あれ? 大トリですよね? 桜島こんなもんですか? 」と挑発しまくって会場の熱を上げた山口隆(Vo/Gt)。

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代表曲「 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ 」で最高潮の盛り上がりを生むと、「 お前らがクソだったことなんて、たった一度もねぇ! それを証明するためにここに来たんだよ! 」と熱く叫び、「 居場所がない? 今日、居場所を作ったじゃねぇか。これで終わりじゃねぇ、ここから始まるんだよ! 」と一人ひとりに真摯なメッセージを届けて、多くの観客が涙をする中で始まった「 輝きだして走ってく 」で感動的なフィナーレを生んだ。

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フェスに憧れ、フェスを渇望し、実際に参加してフェスの楽しさを実感したお客さんにサンボマスター、そして今年出演した全てのミュージシャンはこの場にいないと絶対に体感出来ない生の感動や素晴らしさを伝えてくれた。

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今年、ヘスの興奮や感動を食らった人は、きっと来年のこの季節も桜島へ足を運ぶことになるだろう。

文:フジジュン



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